こんにちは 畠中です
東京マラソン2017の開催まで1週間です。
フルマラソンを走ると膝、ふくらはぎなどが痛くなり、
「痛み止めをのみたい」と思う人は多いと思います。
激しいスポーツ中に痛み止めを服用することは、果たして安全なのでしょうか?
◇腎臓、循環器、消化器などに重大なリスク
マラソン大会では痛みにまつわるさまざまなトラブルが起き、
ランナーの皆さんが痛み止めを、と考えるのももっともだと思います。
多くの人が言うのはジクロフェナク、イブプロフェン、ロキソプロフェン、セレコキシブなどの
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のようです。
しかし走る前や最中に、痛み止めを使ってもよいことは少なく、
逆にさまざまな弊害があることが報告されています。
医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に2013年、発表された論文です。
調査対象のランナー3913人のうち49%がレース前にNSAIDsを服用したと回答しました。
アンケートでその後の経過を聞いたところ、消化器のけいれん、
レース中、レース後の心臓血管系の問題、消化管出血、血尿といった項目で、
NSAIDsを服用した人の方が何ものまなかった人より副作用の発生が多かったのです。
また、アメリカ心臓病協会(AHA)と米国の「NSAIDs適正使用団体」は、
米国社会での痛み止め過剰使用に警告を出しています。
NSAIDs適正使用団体は、NSAIDsが以下の臓器にリスクをもたらすことがあると指摘しています。
(1)腎臓系
(2)心臓や脳などの循環器系
(3)胃、小腸、大腸などの消化器系
腎臓は、NSAIDsの服用で内部の血管が閉じてしまい、血液が流れにくくなる危険があります。
循環器では血管が血のかたまりで詰まり、
心筋梗塞・脳血管障害などの生命の危険に直結するリスクが増す可能性があります。
消化器系でも炎症、出血、潰瘍、胃腸穿孔が起きうるとされています。
◇過酷な状態の体に、さらに負担を課してしまう
NSAIDsは本来、激しいスポーツの最中に使うことを想定していません。
たとえば、フルマラソンでは、レースの後半にトイレにまったく行かなくて済む人がいます。
これは激しい運動で多くの血液が脚に流れ、腎臓への血流が少なくなっているからです。
ここでNSAIDsにより腎臓の血流がさらに抑えられると、
腎臓に届く栄養がほとんどなくなり、瀕死の状態になってしまいます。
100キロ以上を走るウルトラマラソンなどでドクターをしていると、まれに血尿の人に出会います。
これは大変危険な状態で、腎臓の細胞に血液が全然流れてこないために、
腎臓の組織が大きなダメージを受け、内部の血管が一部切れてしまったことを意味します。
また胃潰瘍のある人も同様に運動中に胃に血液が流れなくなり、
そこにNSAIDsを飲むことで粘膜にダメージが生じて出血する場合があります。これも大変危険です。
◇痛み対策はストレッチや走り方の工夫で
長丁場のフルマラソンでは、脚のどこかにストレスがかかり痛くなることはよくあります。
そんな時は痛み止めに頼らず、その場でしっかりストレッチをしましょう。
痛いのは血液の流れが悪い部位であることが多いので、ちょっとしたストレッチで改善することがあります。
また、普段からいろいろな走り方を試し、体の1カ所にストレスをかける走り方を避けて。
体幹と脚全体をうまく使う工夫をしてください。
痛み止めなどやはり薬というものは副作用などがあるものなので確認して使いましょう!
日常生活でも一日を終わりにストレッチするのもケガや筋肉の疲労回復にもつながるのでやっていきましょう